座・リビングが展示会開催

1999/03/04 桐生タイムス記事

インテリアや生活用品関連の織編会社四社でつくるグループ「座・リビング」(中野隆従代表)が、10,11日の両日(午前十時〜午後六時)、市民文化会館展示室で初の作品発表会を開催する。一昨年五月に発会して以来、互いに刺激し合い情報を交換しながら素材や商品開発に取り組んできたグループで、その成果を地元桐生で披露するもの。特にウール、シルク、コットンなどの天然素材やケナフ糸、トウモロコシ繊維などエコロジカルな素材使いが注目を集めそうだ。

四社によるグループ活動はテキスタイルの「布の鼓動」、染色加工の「染工場」、縫製の「衣舞」に続いて桐生地域で四つめ。まとまりがよくフットワークがいい、決断が早いなどの小集一団のメリットを生かし、中小零細企業ゆえ一社ではできないことをグループ化によって挑戦するという姿勢をもつ。

また各種グループの横の連携も異体化してきた。全国の産地でこうした小グループの動きが活発化しているが、桐生は先駆けでもある。

「座・リビング」はフジレース社長の中野隆雄さん(六三)、加栄レース専務の鈴木英夫さん(54)、ワダ社長の和田芳英さん(四五)、ミヤマ全織専務の長竹敏次さん(三八)がメンバー。帯メーカーのワダ以外は戦後の創業だ。

リーダーの中野さんは「これまでは合繊で大量生産的な仕事だったが、カーテン製造だけでは行き詰まるし、手作り的な、環境に配慮した商品が要求される時代。世界の流れをみても編み機を使いこなしていないのではないかと思い、和糸やセリシンをつけたままのシルクなどを現設備で編み始めた。洗える和糸ブラインドの成功で、将来につながるものづくりがみえてきた」と話す。

年間五百万b生産しても値段がないような合繊のカーテンレースから、天然素材使いの工夫で少量多品種生産にシフトしつつあるという。鈴木さんもやはり現有の編み機で、扱ったことのなかった天然素材のカーテン、レース服地を手掛けている。

長竹さんは浴用タオルの専門業者。ナイロンやレーヨンだったボディータオルをウールとコットンで開発、すでに商品化したものもある。ウール紡績業者に糸をつくってもらえるようになり実現したということで、「自社だけではできなかった」とグループの恩恵を語っている表天然素材を使うことは環境問題だけでなく、高い技術レベルが必要なため、品質管理にも役立つということだ。

和田さんの場合はこれまで浴衣帯中心に展開してきた。「父の時代は絞り込んだ商品づくりだったが、繻子(しゅす)、錦、綾、紗、絽(ろ)、何でもできる機屋になろうと磨いてきた技術を利用しながら、和様のリビング製品を開発している」という。

今回発表するのはポリエステルのランチョンマット、コースター、花瓶敷き丁など凹凸感のある地組織で、小幅で可能なもの。洋服の縫製業者と提携してでてきた飾り帯は特許申請中だ。

四社ともグループ化のメ二リットは大きいようで、従来と違った売り先も開拓できる。しかし今回はあくまで地元での発表会とし、自覚・自立の気概を見せるべく準備に余念がない。作品は三百点を起えそうで、ブラインド、カーテン、クッションカバー小物類のはか、婦人服地やジャケット、ワンピースなどの製品も六十点展示する。