桐生タイムス1999/08/05記事より転載
祭りの衣装はまかせなさい。祭りを楽しむために欠かせない"そろいの衣装”の制作を、総合繊維産地・桐生の技術で一手に引き受けようと、刺しゅう業者が中心となって動き始めた。
若手刺しゅう業者四人で結成したグループ「刺繍連」が、さまざまな団体でそろえる祭りはんてんなどの制作を請け負う〃祭り衣装プロジェクト〃を立ち上げたもの。同グループでは、桐生八木節まつり最終日(八日)のイベント「ダンス八木節」に合わせ、織り、染め、縫製、刺しゅうまですべて「メード・イン桐生」による試作品を制作した。今後は全国にPRしてビジネス展開したい考えだ。
産地の技術で制作請け負い「刺繍連」の4人を中心に、桐生産地の技術を生かして作られた長ばんてん。8日の「ダンス八木節」でデビューする。
「刺繍連」は、栗原清音さん(40)=仲町一丁優峰社長をリーダーに、下山勝さん(44=笠懸町阿左美、大桐社長=、村田欽也さん(37)=三吉町二丁目、村田刺繍所経営=、栗原章さん(35)=菱町四丁目、富士縫製専務=の四人で昨年四月に結成した同業者仲間。
祭りのさまざまなイベントに参加する団体がそろいの衣装を作ろうとするさい、「どこに注文していいか分からない」というニースがあることや、「われわれの技術を駆使すれはより華やかで立派な衣装ができるのに」と見かねる場面があったことなどから、新たなビジネスチャンスとして「祭り衣装」に着目した。
織り、染め、縫製、そして刺しゅうまで、各工程の恵気投合する業者と連携しながら、オリジナリティーの高い衣装づくりに取り組む。「どんな小さな団体でも対応します」と同グループ。
今後は全国各地の歯体に同プロジェクトの存在をアピールし、「祭り衣装なら桐生」と認却度をあげるのが目標だ。
その前にまずは地元でと、同グループでは「ダンス八木節」の出場チーム向けに良はんてんを試作。紺地のストレッチ素材に、特殊技術を駆使した刺しゅうで立体感のある金色の龍を背中にあしらった。この衣装を看て出場するのはどのチームか。八日の"本番”のお楽しみだ。