からくり人形の分類
・山車からくり
『祭礼、祭事のためにつくられたもの』
全国に現存する祭礼の山車からくり人形のほとんどは、神聖なものであり、さらに町方衆の「風流」に対する心意気を表す飾り物の性格を持っていた。それ故、人形が独りでに動くように見せることは意味ががあったであろうが、技を競ってカラクリを巧妙にし、自動人形を目指す必要はなかった。むしろ神の依り代ろしてカラクリ人形そのものの伝統を譲り伝えることが重要であったと思われる。


・座敷きからくり
『主に個人を対象としてつくられたもの』
商品としてのからくりや特定個人のために作られたからくりである。個人所有のため比較的残されているが、現代のおもちゃと同じで多くは壊れて捨てられてしまたものであろう。
 室町時代に台付きカラクリ、鳴く鴬の台付きカラクリなどが作られている。江戸時代になると庶民向けのカラクリ人形店もでき、金沢・新潟・酒田・山形などの北前船の航路に沿った地方に多く残されている。


・芝居からくり
『芝居などの一般大衆への見世物として作られたもの』
江戸時代に栄えた竹田からくり芝居が知られている。竹田芝居のようにからくり自体を見世物といたものや人形浄瑠璃のように舞台面における巧妙な演出の一つ要素として使われたものがある。常時、使用消耗されるため現存例は全くないと言われていた。


仕組みや構造からの分類

・内部に機関を持ち、原動力としては、弾性ばね(鋼、真鍮、鯨口ひげ、竹、杉皮等)水、砂、空気、水銀などによって人形を動かすもの。

・原動力としては、人力、水力により、糸や串を手などで操作し、仕掛けを動かすことなく、さながら機関で動くように見せるもの。

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桐生からくり人形の分類と評価

桐生からくり人形は、からくり芝居と呼ばれ、原動力としては水車を利用し、当時の織物技術を生かしたものと想定できる。
人形についても、製作年代は比較的新しいものであるが、江戸末期の人形師の技を受け継ぐものであり非常に優れた作品である。また、からくり芝居は時代とともに衰退し、全く途絶えてしまったと思われていたため、人形・背景・衣装や小道具などが完全な形で残されていたことは驚異であり、芝居からくりとしての現存例は全国的にも数が少なくその中でも特に貴重な資料として、からくり芝居の歴史の1ページを飾る貴重な文化財に値するものであると高く評価されている。
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