桐生タイムス1997年(平成9年)6月18日(水曜日)掲載
1t9618.jpg
 昭和36年以来開かれなくなった天満宮の臨時大祭「御開帳」。本町筋以外の各町内会にも人形屋台がつくられ、演じられた「からくり人形」が人気だったという。桐生に残るその人形は、いまや全国的にみても貴重なものとなった。専門家が来桐し調査するのを機会に21日、「からくり人形を語る夕べ」が開催されることになった。幸い8汢f画にも記録されており、これをきっかけに「からくり人形」の再演も検討されている。
**********************************

 天満宮御開帳は桐生市史によると、宝暦十二年(1762年)に初めて開催されたと推定されている。この臨時大祭は献幣使参向を中心にしたもので、このときに限って御扉帳を開くので「御開帳」と呼ばれるという。開催時期は一定ではなく、町民の盛り上がりや経済的理由によった。1793年、1802年、22年、41年、52年、78年、94年、1902年、16年、28年、52年、61年の記録がある。
 昭和27年(1952年)には四月二十日の稚児行列から始まって、北関東チンドンヤ大会、店頭装飾協議会、芸妓手古舞、演芸大会、時代風俗行列、桐生織物展示会、仮装行列、商店広告祭、おいらん道中、素人のど自慢大会などが連日五月十一日まで続いており、また飾り物が各町内で水車仕掛けや電気動力で演じられた。本町二丁目に居を構えていた作家の坂口安吾も桐生人のまつり好きに驚き、同町の弁慶と牛若丸のからくり人形について記している。
 その人形の出し物は御開帳ごとに新調するのが普通だったようで、そのため大切に保存する性質のものではなかったらしい。しかし最後の昭和36年のものは一部が現存しており、いまでは全国的にも貴重な地域資源となった。
 21日は午後7時から、まずは桐生小型映画研究会の橋爪さんによって「昭和36年の桐生天満宮御開帳」の八沂L録映画が上映される。時間は約15分。続いて第2部は、日本人形劇センター前理事の宇野小四郎さん、国立科学博物館理工学部の鈴木一義さんが調査の結果をふまえ、「桐生からくり人形について」と題し講演する。会場は桐生具楽部1号室。
*************************
 一般参加もでき、参加費は千円(食事代含む)。希望者は20日までに、「からくり人形研究会」事務局の山鹿英助さん(電話22-3374)へ申し込む。
2t9618.jpg

←桐生タイムス掲載記事【目次】へもどる
←ホームへもどる