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シリーズでご紹介いたします。 お楽しみに........ 梅田町一丁目・鳳仙寺 体にできるイボは、痛くはないけれど、なんとも邪魔なものです。またイボから出る水汁で増える、うつるなどと言われましたので、昔はイボができると、イボ取りに効くというイチジクの白い汁をつけたりして、なんとか取り除こうと努力をしたものです。 そのイヤなイボが、鳳仙寺山門前のイボ地蔵様にお願いすると、取り除いてもらえるいうのですから、イボ地蔵様の前には、何時も祈願者の長い列が続いていました。 ヤマイモの実を糸で繋いで数珠のようにし、お地蔵様の首に掛けてお願いするだけでよいと言うのですから、イボに悩む人たち大勢が連日押し寄せたのです。 その人の波を見て、せせら笑う男がいました。「そんなの迷信だい、イボなんか直るもんかい」と、言っては、祈願者たちにいやな思いをさせ続けていたのです。 ところである日のことでした。くだんの男が、いつものように祈願者たちを茶化すと、突然トコトコトコッと、隣の山門に駆け上がり、なんとそこからお地蔵様目がけて、小便をかけはじめたのです。 そんなとんでもない事をしでかした後、男は布団に入ると間もなく、高い熱をだして苦しむ羽目になりました。 さすがの男も「さては仏罰?」と昼間の自分の行為が気になってしまいました。 その夜男は高熱のため苦しみ通しで一睡もできませんでした。が、朝を迎えての冷気で、夜明けには、少しは気分がよくなりましたので,,顔を洗いに外の井戸へ向かいました。 そして井戸端で朝食の用意がてら世間話をしていた、おかみさんたちに、 「おはよう」 と声をかけました。その声に振り向いたおかみさんたちが、男の顔を見たとたん、いっせいに悲鳴をあげて飛びすさりました。 その悲鳴に、男が思わず自分の顔に手をやると、なんと肌がゴツゴツ。。。。。。 ビックリした男は家へとって返すと、すぐさま手鏡をのぞき込みました。 なんと手鏡の中の顔は、イボがビッシリ。。いえ顔だけではなくて、全身のどこもかしこもイボ、イボ、イボ。。。男は腰を抜かさんばかり驚くと「こりゃぁ仏罰だぁ」。。とオロイロし始めました。 でもそのうちに、「お地蔵様に詫びして、許していただかなくちゃぁなんねえと、朝霧にかすむ山の中へ飛び込んで行きました。そして何刻か後に山で取ってきた特大のヤマイモの実で、特大の首飾りを作りあげると、今度はイボ地蔵様の前へとって返しました。 そして鳳仙寺沢の水でお地蔵様の体をていねいに洗い流し、塩ですっかりお清めを済ませると、その場に土下座をしてお地蔵様お詫びをし、涙ながらにイボ取りのお願いをしたのです。 怒り心頭にあったお地蔵様も、もともと心の広いお地蔵様でした。土下座して涙する姿に、この男の過ちをお許しになられて、全身のイボをきれいに取り去ってくださいました。この事件以来、イボ地蔵様のあらたかさ、尊いご利益は一層有名になって祈願者の波をますます大きくしたのでした。 「心のイボ、病のイボも取り除く」。。 山門前に建つ石仏にも、俗信仰が伝えられています。祈願しますと、体にできたイボを取り除いてくださるということもあって、最近では「がん」治療の祈願に訪れる方が増えています。 この信仰は、すでに江戸時代からあったという、実に息の長い信仰になっています。 ところが「イボ地蔵」と呼ばれている石仏は、実は地蔵尊ではなくて薬師如来なのです。薬師如来が、いつごろから、このような誤った呼ばれ方をされるようになったのかは、わかっていません。 |
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