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新標本館、コレクション400万 

(写真・ライデン国立植物標本館のモダンな外観)

 ライデン国立植物標本館を尋ね当てるのは、実は容易ではなかった。そして実際に訪問して、なお驚いた。青いガラスのピラミッドが印象的な、あまりに現代的なビルだったからだ。

  それもそのはず、倒産したコンピューター会社の建物を購入して、ライデン大学の自然環境研究機関や植物標本館、図書室、研究室などが入居したのは1995年末という。ビルには植物標本館の元館長、故ファン・ステイニス教授の名がつけられ、ライデンの新しいサイエンス・ゾーン内に位置する。標本館自体、博物館などと違って一般に公開される性格のものではないのだ。

  コルネリス・カルクマン教授(前館長)の親切な案内を受けることができたのは、非常な幸いであった。同教授は法政大学フォン・シーボルト研究会が開催した国際シンポジウムのため来日したこともあり、法政大学の大森實教授の面識を得て、事前に紹介状を書いてもらったからだ。  カルクマン教授の館長時代、植物標本館は旧市街の元織物工場と大学図書館跡に分散していた。空調も整った新しいビル内の広大な標本庫に通されて、標本たちにとってここが安住の地であることを知る。その数を聞くと、何と「400万」という。それでもまだ余裕があった。

  カルクマン教授の自宅に送っておいた手紙と大森教授の紹介状によって、調査ターゲットは明確だった。移動式、固定式両スタイルの棚がずらりと並ぶ中、サクラソウ属の標本を入れた箱が整然と控えていた。そのなかからシーボルト関連と思われるものを選び出し、カルクマン教授の研究室でつぶさに見、写真撮影することができたのだ。
(写真・400万の標本が保管されている庫内を案内してくれたカルマン教授)

  シーボルト・コレクションはこうして分散して一般標本の中に保管されているため、大森教授をはじめ多くの日本人学者が何度も、長期滞在して研究しているが、いまだ全貌は明らかではない。95年から本格的総合的研究を開始した熊本大学の山口隆男助教授と獨協大学の加藤僖重教授によって、ライデン国立民族学博物館や八王子の都立大学附属牧野標本館所蔵資料もふくめた調査が進行中だが、ドイツ・ミュンヘンやロシアのサンクトペテルブルクにも標本があるという。シーボルトの日本における活動を解明するためには、植物学だけでも容易ではないのだ。

  出島の絵師、川原慶賀の描いたカッコソウの絵は、サンクトペテルブルクにあった。標本がライデンで見つかって、感激とともにほっとしたというのが、正直なところである。

「桐生タイムス掲載」

 


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